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シャンのいろいろ2

リニューアルしました

mollifierでモリモリ(3 性質2)

こんにちは. 今回も引き続きmollifierの性質を書いていきますよ~性質についてはこの記事で最後になります!

Theorem2   

 \{\rho_\varepsilon \}_{\varepsilon \gt 0} をmollifierとし,  f \in L^p(\mathbb{R}^N)  (1 \le p \lt \infty ) とする. このとき, 

\begin{eqnarray}
||\rho_\varepsilon \ast f - f||_{L^p(\mathbb{R}^N)} \to 0\ \ (\text{as}\ \varepsilon \downarrow 0).
\end{eqnarray}

 Proof.

mollifierの定義より  ||\rho_\varepsilon||_1 = 1 ,  \text{supp}\rho_\varepsilon \subset B(0,\varepsilon) であったから, 

\begin{eqnarray}
|(\rho_\varepsilon \ast f)(x) - f(x)| &=& \left| \int_{\mathbb{R}^N} \rho_\varepsilon(y) \{f(x+y) - f(y) \}\ dy \right| \\
&=& \left|\int_{B(0,\varepsilon)} \rho_\varepsilon(y) \{f(x+y) - f(y) \}\ dy \right| \\
&\le& \left(\int_{B(0, \varepsilon)}\rho_\varepsilon(y)\ dy \right)^\frac{1}{q} \left( \int_{B(0,\varepsilon)} \rho_\varepsilon(y)|f(x+y) - f(y)|^p\ dy \right)^\frac{1}{p} \\
&=& \left(\int_{B(0, \varepsilon)} \rho_\varepsilon(y)|f(x+y) - f(y)|^p\ dy \right)^\frac{1}{p}.
\end{eqnarray}

これより, 

\begin{eqnarray}
||\rho_\varepsilon\ast f - f||_p &\le& \int_{\mathbb{R}^N}\ \left( \int_{B(0, \varepsilon)} \rho_\varepsilon(y)|f(x+y) - f(x)|^p\ dy \right)\ dx \\
&=& \int_{B(0,\varepsilon)} \left( \int_{\mathbb{R}^N} \rho_\varepsilon(y) |f(x+y) - f(x)|^p\ dx \right)\ dy \\
&=& \int_{B(0,\varepsilon)} \rho_\varepsilon(y) ||T_yf - f||_p^p\ dy \\
&\le& \text{sup} \{||T_y f - f||_p^p\ ;\ |y| \lt \varepsilon \}.
\end{eqnarray}

 \varepsilon \to 0 のとき, 右辺は  0 に近づく.□

 

今日はもうひとつ性質を取り上げます. 

Proposition1

{\mathbb{R}^N} 上の可測関数  f が任意の有界閉集合上で可積分であり, ある可測集合  K の外ではa.e.に0であるとする. このとき,  \{ \rho_\varepsilon \}_{\varepsilon \gt 0} をmollifierとすると, 各  \varepsilon \gt 0 に対して,  \text{dist}(x,K) \gt \varepsilon をみたす任意の  x \in \mathbb{R}^N について  (\rho_\varepsilon \ast f)(x) = 0 となる.  

 Proof.

 x \in \mathbb{R}^N \text{dist}(x,K) \gt \varepsilon をみたすとする. このとき  y \in \mathbb{R}^N について, |y-x| \lt \varepsilon ならば  y \notin K である. また,  \text{supp}\rho_\varepsilon \subset B(x,\varepsilon) であったから, 

\begin{eqnarray}
(\rho_\varepsilon \ast f)(x) &=& \int_{\mathbb{R}^N} \rho_\varepsilon(x-y)f(y)\ dy \\
&=& \int_{\{|x-y| \lt \varepsilon \}} \rho_\varepsilon(x-y) f(y)\ dy \\
&=& 0.
\end{eqnarray}

よって示された.□

 

今回からHölderの不等式だとかFubiniの定理だとかはいちいちい言及していません. まあでもきっとこの記事を読んでる人なら十分に行間を埋められるスペックはお持ちだと思うのでぜひよろしくお願いします...

さてこれでようやく準備が整いました. 次回の記事では本題であった変分法の基本原理の証明を与えていきます. 今までよりもほんの少し煩雑な議論が出てきてしまいますがまあなんとかなるでしょう.

あと, ブログのリニューアルの目的が数学の記事をメインに据えたかったっていうのが一番だったんですけど, せっかくなんでほんの少しでもなにかくだらないことを描くかもしれません. Twitterに書くには長すぎるけど興味がある人には読んでもらって共感をもらいたい内容とか. もしそんな記事が出てきたら(興味のある方は)ぜひ読んでいただけたらと思います.