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シャンのいろいろ2

リニューアルしました

どうして三角関数で度数法じゃなくて弧度法を使うの?

今回は以前のブログで書いていた自分で気に入ってる記事をそのまま載せるだけです. この記事ももう3年前とかのものになるんですよね...学部2年の頃です. いまや大学院生, あの頃に戻りたい...

以下, 当時の文章ままです(新しく記事を書くのサボったわけじゃないです)

 

こんにちはこんばんはおはようございます。

 

以前友人と「三角関数で突然角度がラジアンになるけど、その理由を高校生に説明できるか」なんて話になったことがありました。小学校中学校と馴染んできた度数法による角度を突然投げ捨ててまで弧度法を導入する意義は一体何なのか?疑問には思っていたものの明確な答えがわからぬままごまかして高校、大学と今まで来てしまいました。

 

 

 

話をしていた時は積分の例を上げて説明してみました。

ざっくり説明すると、x軸の単位が度数法でy軸が実数で測られてるものだとすると、面積とかの概念意味わかんなくね?ってことですね。

その時はまあまあ話が納まったように思えたのですが、どうしてもなにか的外れで”とんち”であるような気がしてなりませんでした。先日それがものすごく気になってちょっと調べてみました。そうしたら意外にも納得できる結果を見出すことが出来ました。

 

結論からシンプルに言ってしまうと、

弧度法を扱う一番の理由は微積分の定理の美しさを重視するためでした。詳細は以下のとおりです。

 

 

 

弧度法を扱う根拠は、三角関数微積分についてのもっとも重要な基礎の部分にまでさかのぼります。

三角関数の極限についての公式   

 

 \begin{eqnarray} \lim_{\theta \rightarrow 0} \frac{\sin \theta}{\theta} = 1 \end{eqnarray} 

(ただし、\(\theta \) は弧度法で表されているものとする)

 

 

三角関数導関数を求める際には、この公式を十分に利用しています。

この公式の証明について見てみましょう。

 

 

f:id:Fshanks:20140923230042j:plain

 

まず、\(0< \theta < \frac{\pi}{2}\) とします。\(\theta \) は弧度法で表されてるものとします(念押し)。

単位円上の上図のような各点について、面積を比較してみると三角形OAP<扇形OAP<三角形OAQであることがわかります。このことから、

不等式

\( \begin{eqnarray}{ 0<\frac{1}{2}\sin \theta <\frac{1}{2} \theta < \frac{1}{2}\tan \theta }\end{eqnarray}  \)

を導きます(円の半径が1であることに注意)。これを変形することで、はさみうちの原理から示されます。

 

・・・なのですが、ここで問題なのが扇形OAPの面積です。

先の証明では、実は弧度法を使ってます。もしこれを度数法で求めると、

(扇形OAPの面積) \( \begin{eqnarray}{ = \pi \cdot 1^{2} \cdot \frac{\theta}{360} }\end{eqnarray} \) となることから、先ほどのような手法で求められる不等式の形が

\( \begin{eqnarray}{ 0<\frac{1}{2}\sin \theta <\frac{\pi}{360} \theta < \frac{1}{2}\tan \theta }\end{eqnarray} \)

というように大きく変わってきます。これを基に式を変形していくと次の極限の公式が導かれます。

 

三角関数の極限に関する公式(度数法ver.)

 

\( \begin{eqnarray}{ \lim_{\theta \rightarrow 0}\frac{\sin \theta}{\theta} = \frac{\pi}{180} }\end{eqnarray} \)

(ただし、\(\theta \) は度数法で表されているものとする)

 

 

なんと、弧度法を用いるときの公式と比べてヘンチクリンな形になっています。

 

ここまで来たところで、せっかくなので角度を度数法で扱うもとで定義にしたがって関数 \(\sin x \) を微分してみましょうか。

 

\( \begin{eqnarray}{ (\sin x)' }\end{eqnarray} \)

    \( \begin{eqnarray}{ = \lim_{h \rightarrow 0}\frac{\sin(x+h) - \sin x}{h} = \lim_{h \rightarrow 0} \frac{\sin x \cos h +\cos x \sin h -\sin x}{h} }\end{eqnarray} \)

    \( \begin{eqnarray}{ = \lim_{h \rightarrow 0} \{ \frac{\sin h}{h} \cdot \cos x - \frac{(1-\cos h)}{h}\sin x \} = \frac{\pi}{180} \cos x }\end{eqnarray} \)

 

いままで使ってきた微分の公式と違う・・・

弧度法では関数 \(\sin x \) を4階微分しても \(\sin x \) となって元に戻るのですが、

度数法だと、なんと \( \begin{eqnarray}{ \frac{\pi^4}{1049760000} \sin x }\end{eqnarray} \) となります。キモい。

 

これが弧度法を導入する意義のひとつですね。微積分をかじってる人にとっては十分に弧度法によるメリットは感じられることと思います。おそらく他にも弧度法を導入するメリットはあるとは思いますが、ぼくはまだわかりませぬ。。。他にあるのであれば教えてもらいたいぐらいです。

 

それでは今回はこの辺で失礼します。

 

(挿絵のグラフを描く際、GRAPES( http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~tomodak/grapes/ )を使わせていただきました。ありがとうございます。)